A10 GC Reading

GC x IFRA Reading

精油は“香り”ではなく
“成分の集合”

ラベンダーの名前だけでは、その本質は見えない リナロール、1,8-シネオール、カンファー 成分比率を読むことで、精油の個性と安全設計が見える

このページでは、ラベンダースパイク精油のGC分析表を、感覚ではなく「読み取れる資料」として再構成しています。
円グラフ、成分カード、アレルゲンチップ、計算式、IFRA照合までを含めた 香りの専門性に近づきます。

Oil Lavender Spike GC Total 95.770% Origin Spain Method Steam distillation
実験器具と褐色ボトルが並ぶGCページのヒーロー写真
香りの印象を、名前ではなく構成比の層として見るための入口。

精油プロフィール

GCを読む前に、まず確認するのは精油そのものの識別情報です。
精油名、ロット、学名を確認することで、成分表を読む前提が整います。

名前ではなく、正体を見る

精油名・ロット・学名を見ることで、この資料の前提が整います。

PDF 1ページ目
FLORIHANAのGC資料1ページ目上部。Date、精油名、ロット番号、原産国、抽出法、学名、使用部位が並ぶプロフィール欄。 まずここを見る
精油名 Lavande Aspic / Lavender Spike
ロット E220925ES
学名 Lavandula latifolia
Spain Steam distillation Flowering Tops

3成分構成

精油の大部分を占める主要成分から全体像をつかむ。

精油の印象は、主要成分の比率によって大きく変わります。
まずは多く含まれる成分から、香りの骨格を読み取ります。

Detected 95.77% GC total
  • Linalol 40.31% 約半分
  • 1,8-Cineole 28.44% 約3割
  • Camphre 10.79% 約1割
  • その他 16.23% 残り
  • 未検出・未同定分 4.23% 余白
Linalol 40.31%

花様感、やわらかさ、透明感の土台。

1,8-Cineole 28.44%

すっきり感とユーカリ様の抜け感。

Camphre 10.79%

薬草感、鋭さ、芯の強さを足す層。

香りの輪郭

成分比率を香りの印象に置き換えて個性を読む。

成分名は単なる化学情報ではなく、香りの質感を読み解く手がかりです。
重なり合う性質から、この精油らしさが見えてきます。

Li

Linalol

花様感と透明感の主軸。

花様感 やわらかさ 透明感
Ci

1,8-Cineole

清涼感と抜け感を作る。

すっきり感 ユーカリ様 呼吸感
Ca

Camphre

薬草感と鋭さを足す。

薬草感 鋭さ 力強さ
一般的なラベンダー
  • 甘い
  • 穏やか
今回の精油
  • シャープ
  • 清涼感
  • 薬草感
一言でいうと

清涼感と薬草感のラベンダー。

成分一覧

GC表から確認すべき成分を整理して見る。

すべての成分を同じ重さで見る必要はありません。
確認すべき成分を整理することで、読み取りの精度が高まります。

見る順番
1多い成分 2*印 3IFRA対象
主要成分から表示。
成分名 含有率 アレルゲン印 香りの印象 IFRA確認の必要性
Major主要3成分
Linalol 40.310% * 花様感・やわらかさ・透明感 優先
1,8-Cineole (Eucalyptol) 28.440% 清涼感・ユーカリ様・抜け感 高含有
Camphre 10.790% 薬草感・鋭さ・ドライ感 高含有

Total 95.770% / 未検出・未同定 4.23%。

アレルゲン確認

*印の成分を拾い、表示や安全確認の入口を作る。

*印のある成分は、表示や安全確認の入口となります。
まず印のある成分を拾うことで、確認範囲が明確になります。

How to read

*印を先に見る。

表示と感作性の入口。

* GC資料の allergen(s) + 表示確認も先にメモ
Allergen Chips

先に拾う成分

Linalol * Limonene * Geraniol * Neral * Coumarine + Beta-Caryophyllene * Acetate de Linalyle * Acetate de Geranyle *

確認対象の選定

優先順位をつけて確認すべき成分を絞る。

GC表の情報は、優先順位をつけて読むことが重要です。
含有量と対象性を重ねて判断することで、確認の軸が定まります。

1

高含有

濃度に影響する

2

*印

先に拾う

3

IFRA掲載

基準対象

4

カテゴリ依存

用途で変わる

Linalol

4 / 4

最優先。

高含有 * IFRA索引 カテゴリ依存

Limonene

3 / 4

*印とIFRAで先に見る。

* IFRA索引 表示候補

1,8-Cineole

2 / 4

量が多いので輪郭確認。

高含有 輪郭把握

濃度の変換

GCの数値を完成品中の濃度に換算する。

GC表の数値は精油内部の割合を示しています。
実際の製品では、配合率に応じて濃度を再計算する必要があります。

Formula

1%配合 → 0.4031%

精油配合率 1% 完成品に入れる量
×
Linalol 含有率 40.310% GC表の数値
=
完成品中 0.4031% Linalol 濃度
1 × 40.310 ÷ 100 = 0.4031%

IFRA照合

換算した濃度を製品カテゴリごとの基準に照らす。

IFRAの確認では、成分と用途の両方を考慮します。
同一成分でも、製品カテゴリによって基準は異なります。

Flow

見る順番

  1. 1
    成分を拾う
  2. 2
    濃度に直す
  3. 3
    用途を決める
  4. 4
    基準を見る
表示例

照合UI

上限値と判定は表示例です。

製品カテゴリ 精油配合率 対象成分 完成品中濃度 IFRA上限 判定
Fine fragrance 1.0% Linalol 0.4031% 0.80%(表示例) OK
肌用オイル 3.0% Linalol 1.2093% 1.00%(表示例) 注意
ルームスプレー 2.0% Limonene 0.0222% カテゴリ資料確認(表示例) 確認

判定表示

結果をもとに次に取るべき対応を判断する。

判定は結論ではなく、次の確認行動を導くための指標です。
状態を整理することで、判断の精度が高まります。

Status OK

次は処方全体

Status 注意

配合を調整

Status 確認

原文確認

成分で読む

成分構成から精油の性格をまとめる。

成分構成を理解することで、香りの印象はより具体的になります。
比率から読み取ることで、精油の性格が明確になります。

Linalol 40.31% 1,8-Cineole 28.44% Camphre 10.79%
この精油はラベンダーではなく、
リナロール40%の設計物として見る。

資料の役割

SDS・GC・IFRAの役割を分けて理解する。

各資料はそれぞれ異なる役割を持っています。
目的に応じて読み分けることで、全体像が整理されます。

SDS

安全情報

危険性と取扱いを見る。

GC

成分構成

中身と比率を見る。

IFRA

使用上限

用途ごとの基準を見る。

成分を見る力

感性と数値をつなげて香りを設計する。

感性と数値は対立するものではありません。
成分を理解することは、香りをより正確に扱うための基礎となります。