KODO & TRADITION

香道と伝統

KODO

香道の世界

香りを「嗅ぐ」のではなく「聞く」。高度な精神性を伴う独自の芸道。

香道とは/香道の成立

室町時代、禅宗の影響を受けながら体系化された「香を鑑賞する作法」です。和歌や書道などとも関わりが深く、人格涵養にも役立つことから「総合芸道」とも呼ばれます。

香席のマナー

繊細な香りを楽しむ場であるため、香水や匂いの強いものは厳禁。前日から食事にも気を使うほどの心遣いが必要です。

「六国五味(りっこくごみ)」

香木の産地や性質を表す尺度です。伽羅・羅国・真南蛮・真那賀・寸門陀羅・佐曽羅の「六国」と、甘・酸・辛・鹹・苦の「五味」によって分類されます。

KUMIKO

いろいろな組香(くみこう)

香りを通じて物語を旅する、雅な知の遊び。

源氏香(げんじこう)

5種類の香木の組み合わせを『源氏物語』の巻名になぞらえる、最も有名な組香。52通りの図案は「源氏香図」として知られます。

小鳥香・小草香

香りの組み合わせを鳥や植物の名前に見立て、季節のテーマを楽しむ組香です。

競馬香(くらべうまこう)

2チームに分かれて香りを当て合い、盤上の駒を進めるゲーム性の高い盤物です。

源氏香図の成り立ち

5つの香りを順番に聞き、同じ香りだと思ったもの同士を横線でつなぎます。この52通りの幾何学模様は、着物の柄や建築の意匠にも多用されてきました。

LEGENDARY INCENSE

歴史に残る名香

六十一種名香

室町時代に選定された、歴史的に著名な61種の香木の総称です。東大寺の正倉院に伝わる「蘭奢待(らんじゃたい)」などが含まれます。

蘭奢待(らんじゃたい)

天下の名香とされる巨大な沈香木。足利義政、織田信長、明治天皇などが切り取った跡が現在も残っています。

ARTS & LITERATURE

芸術・文学と薫物

平安貴族たちは自ら香りを調合し、その移り香に恋心や季節感を託して和歌を詠みました。清原元輔や赤染衛門らの歌には、当時の雅な情景が今も息づいています。

また、日本画にも香りにまつわるシーンは多く描かれてきました。鏑木清方の『伽羅』では、生活空間に漂う香りが生き生きと表現されています。

香道の風景

GLOSSARY

お香用語解説

聞香炉(ききごうろ)

香を聞くための専用の香炉。陶製で三脚が一般的です。

銀葉(ぎんよう)

香木と熱源を隔てる雲母の板。この上で香木を加熱します。

常香盤(じょうこうばん)

抹香を燃やし、その位置で時間を計るための道具(時計)です。

名香合(めいこうあわせ)

名香を持ち寄り、二手に分かれてその優劣を競う香会です。